肥料の話、一年のありがとう

手づくりの「お礼肥」を、みんなで。

しばらくブログの更新が途絶えていました。

詳しくは書きませんが、予期せぬ出来事で骨折し、思うように動けない日々が続きました。

幸い、これまで大きな怪我もなく過ごしてきた私にとって、当たり前に歩けること、働けること、畑に出られることが、どれだけありがたいことなのか。

身をもって感じる時間になりました。

思うように動けないことへの焦りもありましたが、今振り返ると、強制的に足を止めて、深呼吸する時間をもらったようにも思います。

ジッサイマジアセッっタああああ

これも避けられぬ大いなる流れと信じw

その時間の中で、これからのキーコンコンファームのこと、今後やっていきたいこと、進んでいきたい方向も少しずつ見えてきました。

江戸時代の僧、良寛の言葉に、

「災難に逢ふ時には、災難に逢ふがよく候。」

という言葉があります。

起きたことを無理に否定するのではなく、その時、その状況を受け止めて生きる。

今回の出来事を経て、なんとなくこの言葉の意味が少しだけ分かったような気がします。

そんな時間を経て。

久しぶりのブログは、肥料の話です。

収穫のあとにする「お礼」

たんかんの収穫が終わったあと。

キーコンコンファームでは、たくさんの実をつけてくれた木々へ、

「今年もありがとう」

という気持ちを込めて、**お礼肥(おれいごえ)**を施します。

今回使うのは、袋を開けてそのまま撒く化成肥料ではありません。

魚粉、米ぬか、油かす、籾殻くん炭などを混ぜ合わせ、EM(有用微生物群)や光合成細菌など、微生物の力も借りながら、自分たちの手で発酵させた「ぼかし肥料」です。

目次

昔の農業に学ぶ

日本では昔から、その土地や身の回りにあるものを活かしながら、土を育ててきました。

江戸時代には、山野の草や落ち葉、灰、堆肥などを利用する一方で、イワシなどを原料にした「魚肥」、菜種などから油を搾ったあとの「油かす」、米ぬかなども肥料として広く使われるようになります。

魚肥や油かす、ぬかなどは、やがて「金肥(きんぴ)」と呼ばれる購入肥料として各地を流通し、日本の農業を支える重要な存在にもなっていきました。

もちろん、私たちが今つくっているぼかし肥料と、昔の農家が使っていた肥料がまったく同じというわけではありません。

それでも、

身近にあるものを活かし、土へ還し、また次の命へつないでいく。

その考え方には、昔の日本の農業とどこか通じるものがあるように感じています。

新しいものを取り入れることも大切。

でも一度、昔の人たちがどうやって土と向き合っていたのかを知ることも、今の農業にとって大切なことなのかもしれません。

効率だけを考えれば、もっと簡単な方法もある

魚粉を量る。

米ぬかを入れる。

油かすを加える。

籾殻くん炭を混ぜる。

水分を見ながら、何度も混ぜる。

そして微生物の力を借りながら、じっくり発酵させていく。

正直、手間はかかります。

肥料を買ってきて撒けば、もっと早い。

時間だけを考えれば、その方がずっと効率的です。

それでもキーコンコンファームでは、できるところから、自分たちの手でつくることを大切にしたいと思っています。

昔ながらの知恵にも学びながら、今使える技術も取り入れる。

便利になった今だからこそ、あえて手をかけてみる。

それも、私たちが大切にしたい農業のひとつです。

子どもたちと一緒につくる肥料

そして、この肥料づくりは大人だけではやりません。

子どもたちも一緒です。

大きな材料の山を前に、

魚粉を入れて。

米ぬかを入れて。

混ぜて。

また混ぜて。

途中からは肥料づくりなのか、遊びなのかわからなくなるくらい(笑)。

でも、それでいいと思っています。

食べものは、スーパーで突然生まれるものではありません。

土があって。

微生物がいて。

植物が育って。

花が咲いて。

実がなる。

その一番最初にある「土をつくる」というところから子どもたちと一緒に経験することも、キーコンコンファームが大切にしていることのひとつです。

土を触った記憶。

匂い。

混ぜたときの感触。

そういうものが、いつかどこかで「食べる」ということにつながってくれたら、それで十分だと思っています。

収穫が終わったら、次の一年が始まる

たんかんにとって、収穫はゴールではありません。

たくさんの果実を実らせた木は、そのぶん多くの養分を使っています。

だから収穫が終わったあとに、しっかり労をねぎらう。

自分たちで仕込んだぼかし肥料を、一本一本の木へ。

「今年もありがとう。」

「また来年もよろしく。」

そんな気持ちで土へ還していきます。

そして、その土から根が養分を吸い上げ、枝を伸ばし、花を咲かせる。

小さな実がつき、雨を受け、太陽を浴び、また一年をかけて次のたんかんが育っていきます。

収穫が終わった日から、

もう次の一年は始まっています。

育てるところから、つくるところまで。

魚粉、米ぬか、油かす。

身近にあるものを集めて。

子どもたちと混ぜて。

微生物の力を借りて発酵させて。

土へ還す。

その土で、たんかんを育てる。

花が咲いて。

実がなって。

収穫して。

そして、搾る。

そうやって育ててきた、キーコンコンファームのたんかん。

今年、そのたんかんからつくったジュースを、ようやく皆さまへお届けできることになりました。

キーコンコンファームのたんかんジュース、販売開始です。

ジュースのこと。

なぜ、この形にしたのか。

どんな味なのか。

そして、畑のたんかんが一本のジュースになるまで。

そのお話は、また次の記事で。

畑も、人も。

止まっているように見える時間の中でも、次へ向かって少しずつ動いているのかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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